2026/03/01
前回、やる気を起こすスイッチとブレーキの話題に触れました。しかし、やる気維持にはスイッチが入った後のやる気エンジンの駆動も大切です。大事を成し遂げるには、常にエネルギーを吹き込んで、やる気を維持することも必要です。原動力は希望、目標、動機、欲望、いろいろありです。例えば、オリンピックで“金”を取りたいという強い思い。「勉強しなさい」と言われていやいや勉強するよりも、「こうなりたい」との理想を抱き、自分で決めた行動目標に従って頑張る方が、業績が伸びると思われます。やる気エンジンが駆動し続けられるからです。昔のスポコン、しごきよりも、褒めてドパミン系を刺激し、自主性を育てる指導が能力をより効果的に伸ばすわけです。医学部は結構受験の偏差値が高い所ですが、決して子供の頃からお受験に明け暮れた人ばかりではありません。出来の悪い研修医の指示を受けるのに辟易して医師を目指した看護師さんや薬剤師さん、高卒で就職したがその仕事に将来の展望が見えず、挫折して医師を目指した人、探検の際に医療技術があると現地に受け入れら易いと考えて医学部に入り直した人。先日は海外での活動中に人道的貢献の必要性から新たに医師を目指した人物がTVで放送されていました。一旦社会人になった後、仕事に窮して、あるいは医療に触発されて医師を目指した仲間は珍しくありません。明確な目標ができると、お受験世代を超えた後からでも十分に間に合う世界です。大切なのは“やる気“です。
では、還暦越えした高齢者でも、エンジンの回転は維持できるのかどうか。やる気維持にかかわるドパミン系も前頭葉機能も、加齢により徐々に働きが落ちてきます。ドパミン系の障害はパーキンソン病で有名ですが、病気でなくとも皆、100~120歳をめがけて機能が低下します。このため、若き日の情熱、意欲、野望は加齢とともに穏やかに、平坦になって行くのです。これを熟成と言うか老化と言うか、どうですか。一方で、前頭葉機能が落ちると理解力や判断力が低下し、これまた意欲がなくなり、複数のことが同時に操作できなくなります。さすがの聖徳太子も還暦過ぎまで生きておいでなら、もはや8人の声は聞き分けられなかったのではないかと推察いたします。反面、判断力低下により視野狭窄を生じ、周囲の心配、顰蹙を気に留めることなく、独断の道を突っ走ってしまいます。「危ないから運転止めて」と言っても「まだまだベテラン」と文字通り突っ走るなどが、好例です。寿命の短かった昔からあるのでしょう。「〇〇の冷や水」などと言われますねえ。まあ、若くても突っ走るドン・キホーテさんもおりますが。
