岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

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油断!

イランvsイスラエル・アメリカの争いが収まらず、影響を受けて世界の石油供給、経済が大混乱に陥っています。震災、コロナ禍で打撃を受け、他国の発展に置いて行かれた状態から、やっと立ち直りかけた感のある日本経済も大きな 打撃を受けているように見受けられます。

燃料や工業製品の原料となる油の欠乏。文字通りの油断です。一般に言う“油断”の意味は、気を許して注意を怠った状態です。語源にはいろいろ説があるようですが、涅槃経には、王様が家臣に油の入った鉢を持たせ、一滴でもこぼせば命を奪うと命じた話が記載されています。家臣が細心の注意を払って油をこぼさなかったことから、「油を断つことがなかった」という意味で“油断”が使われるようになったそうです。一般には不注意により貴重な油を失わないようにという戒めの言葉として使われているようです。今回の中東問題は、決して不注意から起きた訳でなく、長引きそうで心配です。

この“油断”をタイトルとした堺屋太一の小説では、まさに中東で戦争が勃発して中東からの石油購入が制限され、日本の経済システムが麻痺し、社会が混乱するさまが表現されています。まさに現状の描写。1975年の出版時点ですでに中等の石油に頼る日本社会の危うさが指摘されている訳です。現実にも1973年、第4次中東戦争を機に第一次オイルショックが生じています。これに対処する目的で石油の備蓄が始まりましたが、社会が石油に依存する構造、その多くを中東に依存する構造は今も変わっていない様です。まさに油断。イランでの紛争で石油の流通が滞っている現在、再び文字通りの“油断”を生じてしまいました。

そもそも石油はどのように作られたのか。遠い昔にプランクトンや藻類が堆積し、分解され、地熱と強烈な圧力で熱分解されて生成されたようです。自然の産物ならば、人工的合成も可能に思えます。

1979年の第二次オイルショック時に医学生だった私。暇にあかせて考えた人工石油は、CO2の化学的固定、人工光合成、広大な海洋を利用して育てた藻や海藻からの合成です。少し勉強しましたが、残念ながら亀の甲は苦手で、先には進めませんでした。現代ではCO2と水素から触媒を用いて人工燃料が合成可能となっているようです。問題は化石燃料と比べてのコスト高。近い将来、叡智と努力でこの部分が解決され、安価に良質な人工燃料が合成される日が来ることを期待しています。CO2の固定ならカーボンニュートラルが達成でき、CO2排出問題も解決するし。

新年度の始まりに当たり、現在進行中の社会不安と、根本解決の可能性を書き下ろしてみました。明日には「ぜ~んぶ嘘」、ならいいのですが。