岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

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心のダム

このところ台風と秋雨前線が影響し合い、豪雨の報告が相次ぎました。北陸、東北、関東、九州、東海、、、各所で“観測史上最大の雨量”が記録され、警戒レベル4,5、大雨、氾濫、土砂災害等の特別警報が発令。今も台風26号と秋雨前線がコラボ活動中です。新しい熱帯低気圧も発生しているとか。特に、千葉県は短期間に3度もやられました。早明浦ダムはいつまでたっても貯水率が20%未満なのに。

近年、極端な高温、降水が生じ、まさに“降れば土砂降り”状態となっています。地球温暖化が原因と言わます。スーパーエルニーニョが生じ、毎年「100年に1度」の災害を生じるなど、ますますの気候極端化が危惧されます。温暖化が防げればよいのですが、経済活動上の都合や生活利便性との絡みもあり、抑制はなかなか難しい。将来の安寧よりも直近の快楽が優先するのが世界の総意のようです。政治家は、独裁者ででもない限り、理念よりも選挙民の意向に従いますネ。もっとも、温暖化の原因は二酸化炭素排出ではなく、実は約10万年の周期で生じる地球の自然な気候変動であるとする説も看過できません。大半は氷河期で、1~1.5万年の間氷期が暖かくなる訳です。今は間氷期。最後の氷河期は1.5万年くらい前で、デニソワ人、ネアンデルタール人、クロマニヨン人などの先達はこの寒さに耐えて活躍していたらしいです。ストーブもエアコンも無いのに、よくぞ我慢してくれました。暑いのは困りますが、寒いのも嫌な訳で、勝手ですナ。金星や火星はもっと過酷なようですゼ。しかし、か弱い人間様の機能には限界があり、極端な暑さ寒さには耐えられない。300度を超える熱水噴出孔の付近に生きるチューブワームや0~5度の氷海を漂う妖精クリオネの真似はできません。適切に自己防衛するしかないのです。何故か高度に発達した知能を生かし、虚弱にもかかわらず生き抜いてきたのが我らホモ・サピエンスです。虚弱だからこその進歩。“天晴”と、張本勲氏が存命ならのたまうでしょうか。

その知恵を駆使した豪雨への備えの代表はダム。おし寄せる水を貯め、適量を放出してガス抜きするわけで、過大な増水や渇水から皆の生活を守ります。貯水、緩衝機能はダムだけではありません。山林に降った雨は地表から地面に吸収され、土中、地下水に蓄えられます。豊かな森林は水分を地下に蓄える力が大きい訳で、水害予防に有用です。保水力が低下すると、余った水とともに地表が崩壊し、土砂崩れ、鉄砲水を生じます。原因は異なりますが、ネパールの惨事には圧倒されました。東北大震災と言い、自然の力は人知を圧倒しています。

 さて、人間も、ストレスの蓄積などに際して感情が溢れ出すことがあります。怒ったり、興奮したり、泣いたりです。年齢を重ねると、熟成して穏やかになる人がいる一方で、保水力が弱まり、感情の発露が極端になり、爆発します。後者の方が多いような。こういうときに差が出るのが心のダムの容量です。ポジティブな社会経験は心の容量を大きくし、心がコントロールを失う確率が減少します。子供の頃、過保護となり、友達との軋轢を避け、SNS世界に没頭していると、容量が大きく発達しないのが心配です。時代は若年層へのSNSを制限しようとする一方で、「我慢しない」を佳しとする力が高まるなど、極力ストレスを懸けない方向に動いています。器が大きくならないかも。また、年取ると心のダムに土砂がたまり、容量が小さくなります。老いも若きも「カッとなって」短絡的に起こしてしまう重大事件が目立ちます。弁明で、カッとなったら何をしても許されるような言動が聞かれますが、どこで爆発するかわからない爆弾は、意識的に爆発させる爆弾と比べ、考えようによってはより恐ろしい。結果は同じでも、意図せず生じた方が、計画的に引き起こしたよりも罪が軽くなる仕組みは疑問です。では、どうやったら心の容量が大きくなるか?「かわいい子には旅をさせよう(TDLやエッフェル塔に行くのではありません)」とか、絶えず心のブラッシュアップを履行して容量を保つか拡大させる努力が必要です。生活習慣病を防ぎ、脳を傷つけないことも大切。また、場合によっては敢えて危うきに近寄らないか、降りかかる厄災を最小限にとどめる判断も重要です。虎穴に入らずんば虎子を得ず(『後漢書』班超伝)、どっち?。