岡山市中区江崎の岡山脳神経内科クリニック|脳神経内科・内科

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空を飛ぶ夢

始めはいつだってスイスイ飛んでいるのです。飛べるのが当然。鳥が自由に空を舞っているのと同じ感覚。ところが回を重ねるにつれ、飛ぶのに努力が必要となる。こんなはずではなかった。飛んでいても下へ下へと引き降ろされ、舞い上がれなくなる。そのうち、助走しても少し飛び上がるだけ。どうやって飛べていたのだろう。最後にはジャンプしかできなくなり、焦っているうちに目が覚める。アッ夢だったか。

大空を飛べなくなる、、、。小学生高学年から中学生頃によく見ていた夢のテーマ。普通の夢は見ても起きると忘れてしまうのに、何故かこればかりは記憶に残る。他にも夢は見ていただろうに。飛べなくなると、焦って夢の間に目覚めてしまうからか。

夢は意識の奥に隠された心情を表している可能性があり、精神的不調の根源を探る目的でいろいろと解釈されてきました。で、空を飛ぶ夢は「自分自身の中に秘められた希望や願望を表す」そうです。 日常生活で感じるストレスや抑圧を打破したいと願う気持ちが「空を飛ぶ夢」に現れていることになります。一方で、落ちる夢はそのまま精神状態の不安定や不安感を表しているそうです。ストレスから抜け出して大きく羽ばたこうと目指しているのに、現実にはうまく行かず、自信を喪失し、不安に駆られる心理が反映されていることになります。野山を駆け巡ることを業としていた小中学生時代、そんなにストレスがあった気はしませんが。そういえば探検家を志ざしていたが、頭脳も、体力もない自分に気づいて、目標達成の自信を失い、中3頃にまず宇宙探検家をあきらめたのが挫折の第一歩かも。これがストレス?。ほんとかな?。何とでもわかったような理屈をつけられるよ、とひねくれた心の声。単にウルトラマンシリーズの見過ぎだったかも。宇宙戦艦ヤマトやスターウオーズはまだ世に出ていなかった。慢心の果てに大空から墜落したのはイカロス。関係ないか。

夢は起きるとすぐ忘れてしまうので、余程インパクトがないと、記憶に残りません。授業中に居眠りすれば、よだれのシミが残るだけです。寝ている脳には記憶力がないため、残念ながら睡眠学習は成立しません。ところが、記憶に残る生々しい夢をみる病気があります。レム睡眠行動障害。パーキンソン病と基本は同じ病気です。普通、寝ているときには夢を見ても、身体は動きません。マニュアル車では停車中、回転するエンジンの動力が車輪に伝わらないようクラッチを切りますが、これと同じです。ところがレム睡眠行動障害ではクラッチが壊れ、夢の内容がそのまま現実の行動に現れ、叫んだり、動き回ったり、壁を叩いたりします。このため、身体の刺激が強まり、夢の間に目覚めるため、夢を覚えます。いやな夢、恐ろしい夢を生々しく記憶してしまう次第です。楽しい夢はあまり見ませんが、インパクトがイマイチで記憶に残り難いのか。あるいは、不安や恐ろしい夢の方が多いのか。人は皆、不安を抑圧し、健気に生きているのでしょうよ。

オリンピックで活躍する等、夢の実現を目指すことは大切ですが、ハチャメチャな夢にうなされたり、不安が現実化するのは避けたいです。